移転のお知らせ と ごあいさつ 2019年 2月に向けて


MOLE MUSICは2019年に2月で大阪上町での活動を終え、奈良京終に向かい、活動を再開します。これまで、この場所を支えてくださり、共に楽しんだ皆様、ご来店いただいた方々、ありがとうございます。二月までこの場所は存在します。

とても長くなりそうな、ごあいさつです。語れば語るほどつまらなくなると語ったのは赤瀬川源平だったでしょうか。今回はそれぞれの思いを託した、一点ものの制作 ROKOTSNA00Cの「まえがき」が相応しいと思い、引用させていただきます。そして来るべき未来へ向かうことにします。今後ともよろしくお願いいたします。

ROKOTSUNA00C




【Unknown Journey】

CIRCULATION

U S B - D J M I T S U K I 7 h o u r s

D a t e - 2 0 1 8 . 0 1 . 1 9
P l a c e - H u g s & K i s s e s
E v e n t s - C i t i p o w e r

N E W S P A P E R - Y O S H I O K A N A M I

D a t e - 1 9 6 6 . 4 . 1 1 - 4 . 2 6
P l a c e - N i s h i i y a s a n s o n

E v e n t s - O n n a n o i s s h o u


「2 0 1 8 、右にも左にも監視社会で、
フーテンには少々生きづらい時代でございます。
とはいえ何か発することをやめてしまえば
それはそこまで。潜伏無き時代に
潜伏をしながら創作という生きる手段を続けるのです。

今回は一点ものの音楽作品の装てんにということで
本作品の制作にとりかかりました。
m o l e m u s i c のM I T S U K I がオーストラリアの旅路にて
持ち帰った自身による7 時間のD J 音源。
それと私の家に残された曾祖母のインタビュー記事。
旅をするものと、旅をしなかったものを
一つの作品に同封しました。
それが何になるかはいまいちわかりませんが
制作しながら私が感じたのは、
これは墓標のようなものになるのかもしれない
というものです。
都市に生きることを選び、選びながらも個を
捨てきることができず、行き場所や己でつくった場所すら
あやふやに、ただただ巨大なコンクリートの壁沿いに
歩いて独り言をいうだけの自分たちの、
そして私たちが愛した平成という時代の墓標です。
だからといって何になるわけでもございませんが
形見分けのようなものです。
お楽しみくださいませ。」



服田雄介





応答 有馬 2011 泉源

「2011年 ぼくは泉源を見たとき、これを縛った人物を確かに想像していたと思います。幸いにも人々には同じ速度で時間が流れていき、僕にも何かしらの機会が与えられました。ぼくはそこを生き抜く過程において、自身が作った場で泉源を縛った人物と出会う事になります。今、どうやら僕はその人物と平成の墓標となるようなものを製作しているようです。毎夜コンクリートの狭間をさまよい歩き、個を捨てきれず、ぶつぶつと独り言のように社会と擦過する昨今。創作という言葉を口にするのも憚れるような空気の中。服田雄介は文化人類学者のような目で彼と人々の愛した時代を祖父母の一生と共に埋めるのでしょう。

僕は2018年1月オーストラリアにて記録された自身のハウスミュージックのUSBを建てました。一点ものの製作ということでもちろん僕の元には残りません。僕のハウスミュージックは塩化ビニールという歴史を宿した物質を手段とします。過去と歴史を記憶と記録に繋げる事によって、リズムとしての人物とメロディーとしての風景を感じることを試みます。

旅に出なかった者
旅に出た者

二つの記録の製作物が同梱されることが、今は何を意味するのかは自身にもわかりません。いつかだれかがこの墓標のようなものに触れた時に自分たちが愛しただろう平成が再生されるのでしょうか。個と創作を捨てきれなかった人間が自身で作った場所さえも去っていくように、抽象表現として残します。

こちらからも形見分けということで。過ぎ去っていく順序に感じてきた何かを、どうぞお楽しみください。僕にとってはこれもまた、来るべき未来のためへの制作です」

つづく

中村光貴